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第48回春季全国大会支部予選兼第25回東邦ガス旗争奪東海大会 一回戦 試合結果

  2018-02-18 第48回春季全国大会支部予選兼第25回東邦ガス旗争奪東海大会  東邦ガス空見球場  
稲沢中央ボーイズ
中堅手 海地(6)
二塁手 好彦(6)
捕手 智彦(6)
遊撃手 幸太郎(6)
投手 祐斗(6)
三塁手 凌大(6)
左翼手 徹志(6)
右翼手 仙(6)
一塁手 大翔(6)
  瑠綺也(6)
  夢翔(6)
  悠之介(4)
  天斗(4)
  憲伸(4)
  悠華(4)
  駿大(4)
  海弥(3)
  周平(3)
  凌太朗(3)
  光樹(2)
  登有(2)
  泰志(1)
チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
東海ボーイズ 0 0 1 2 0 2 5 12 2
稲沢中央ボーイズ 0 4 0 0 2 × 6 10 1

稲沢中央ボーイズ 祐斗、凌大 - 智彦
東海ボーイズ  - 
本塁打
三塁打
二塁打 海地×2(稲沢中央ボーイズ)
東海ボーイズ

UNPIRE
CH
1B
2B
3B
L
R

ついにこの日を迎えることになった。第48回全国春季全国大会支部予選兼第25回東邦ガス旗争奪東海大会が開幕したのだ。この大会はまさに特別なものである。六年生にとっては、最後の戦い。負けたらこれで小学部の野球が全て終わる。どんなにこのメンバーで野球をやりたくても、二度とそれは叶わない。一方で、優勝を果たせば全国大会の切符を手に入れることができる。東京大田スタジアムでの開会式。全国屈指の強豪チームとの戦い。まさに夢の舞台が待っている。昨年の稲沢中央ボーイズは、激戦を勝ち抜き、夢の切符を手にしている。さらに、全国大会でも大阪代表のチームから大金星をあげている。そしてベストマナー賞の表彰もうけた。あの感動とあの時間を再び手にすることができるか。どんな状況になろうとも、最後まで決して諦めるな。そして正々堂々と戦いぬいてほしい。
開会式では、上級生も下級生も自信に満ちた行進。キャプテン徹志は優勝旗を一旦返還する。そして初戦の相手は、東海ボーイズさんである。新チームなって以降、最大のライバルとして切磋琢磨してきた相手である。四月のスポニチ大会では史上初の同時優勝。六月のSSK旗争奪大会では惜敗。八月の伊勢神宮奉納大会では勝利。しかし九月の毎日新聞旗では惜敗。多くの大会で互いに勝ち進み、そして対戦することができた最高の相手である。天候は晴れ。球場は東邦ガス空見球場。舞台としてはこれ以上ない環境。さらに嬉しいことは、両チームともにケガ人も病人もなく、万全の状態でプレーボールを迎えられた。両チームのベンチには、母親たちが作成した見事な千羽鶴が飾られている。誰が見てもそこに愛情がいっぱい詰まっていると一目で分かるものだ。公式戦である以上、どちらかが必ず敗れ、千羽鶴に込められた全国大会出場の思いは叶わない。しかし、子供たちの夢を共に追いかけてきた家族の思いに勝ち負けはつかない。最大限の緊張の中、ついにプレーボール。
先攻は東海ボーイズさん。この大一番、稲沢中央ボーイズの先発ピッチャーは最近絶好調の祐斗。一回表、東海ボーイズさんの強力な上位打線を無失点で切り抜ける。その裏、稲沢中央ボーイズは先頭海地のツーベースヒットでチャンスをつくるも、無得点。二回表、東海ボーイズさんにヒットを許すがここも無失点。そして迎えた二回裏、稲沢中央ボーイズ打線がつながる。まずはこの回先頭の祐斗がセンター前ヒットで出塁。続く凌大は見事に送りバントを決めて、これで流れが稲沢中央ボーイズに傾く。意表をついた長尾監督のサインで祐斗は三塁へ盗塁。ワンアウト三塁になり、打席にはキャプテン徹志が立つ。そして徹志が気迫で内野安打を放ち、ほしかった先制点を奪う。さらに盗塁と仙のセンター前ヒットでワンアウト一塁三塁。ここで大翔はスクイズを敢行。徹志の素晴らしいスライディングもあり、ホームはセーフ。さらにチャンスも広がる。そして海地が左中間への2点タイムリーツーベースヒットを放つ。この回5本のヒットと2つの犠打で4点を奪った。しかし、もちろん試合はこのままでは終わらない。三回表の東海ボーイズさんは、ツーアウトから連続ヒットと好走塁で1点を返してくる。そして四回表にもヒットをつながれ2点を奪われる。四回をおわって4対3。やはり、お互いにどうしても譲れない展開となる。続く五回表、稲沢中央ボーイズは守備で流れをつくる。特にショートの幸太郎が難しい打球をアウトにして勢いよくベンチにかえってくる。五回裏の稲沢中央ボーイズはなんとしても追加点がほしいところ。ここでこの回先頭の大翔がセンター前ヒットで出塁。さらに海地がレフト前でノーアウト一塁二塁のチャンス。続く好彦はセフティーバントを決めると、一瞬の隙をついて大翔もホームイン。そして智彦がセンターへの犠牲フライを放ち、さらに追加点を奪う。6対3となり、最終回を迎える。ここで東海ボーイズさんの六年生がやはり意地をみせる。先頭打者はライト前ヒット。続く打者はセンターオーバーのタイムリーツーベースヒット。2点差につめ寄られ、さらにノーアウト二塁のピンチ。ここで稲沢中央ボーイズのベンチが動く。ここまで好投を続けてきた祐斗に変わり、凌大をマウンドにおくる。しかし続く打者にはセンター前ヒットをあびる。さらにセンターへの犠牲フライを放たれリードはわずか1点差に。ワンアウトながら同点のランナーは二塁。続く打者は凌大が気迫で三振を奪い、ツーアウト二塁。まだまだ勝負は分からない。そしてここで東海ボーイズさんの打球は三遊間に飛ぶ。ショートを守る好彦のグローブをかすめ、ボールはレフト前へ。東海ボーイズさんの2塁ランナーは一気にホームへ突入。稲沢中央ボーイズのレフトはキャプテン徹志。必死のバックホームはワンバウンドでキャッチャー智彦にストライク送球。間一髪のタイミング。大歓声と悲鳴が飛び交った後、しばらくの静寂が球場を包む。球審のコールは一呼吸おいて「アウト」。この瞬間、激闘は幕を閉じた。マウンドで歓喜の渦ができる。ただし、すぐにその輪もとけてホームプレートへ整列。東海ボーイズさんの子供たちも最後の挨拶へ。球審のゲームセットのかけ声。試合はこれで終了した。
現在、韓国で冬季オリンピックが開催されている。日本中が羽生結弦選手の演技に感動し、小平奈緒選手のスピードに魅了され、高梨沙羅選手のジャンプを祈るように見つめている。そこには選手それぞれの壮絶な練習量と家族を含めた多くのドラマがある。怪我との戦いや周りとの比較によるジレンマ。どうしても結果がでない苦しさ。ここボーイズリーグ小学部でも規模こそ違うだろうが、オリンピックと同じく様々なドラマがある。家族の支えも、期待や重圧も小さな体でうけとめている。最後のアウトがキャプテン徹志の大ファインプレーでとれたことは、やはり野球の神様が演出したドラマの一つでもあると思う。そして対戦相手がいるからこそ、成長できることもまた同じであろう。稲沢中央ボーイズの子供たちは、東海ボーイズさんの子供たちのお陰で本当に成長できた。東海ボーイズ六年生の悠矢君、航太郎君、晃輔君、大地君、太絃君、彩助君、虎太郎君、豪輝君。君たちから試合後に託された千羽鶴は、必ず我々が全国大会に持っていこう。そして、中学部ではまたお互いに成長しよう。そしていつか高校野球ではチームメイトとして、またはライバルとして、共に甲子園出場を追いかけよう。
さあ、稲沢中央ボーイズの子供たち。次の週末に、準決勝、決勝が待っている。今度は安定感抜群の夢翔のピッチングが絶対必要になる。瑠綺也の打撃と好走塁で得点を奪うシーンも必要になろう。下級生たちも必死の応援とベンチワークで盛り上げてくれる。出場の準備もしっかりしておかなければならない。家族もまた、眠れない夜を過ごし、あの歓喜の瞬間を楽しみにしたい。代表、監督、コーチへの最高の恩返しをすべく、体調管理も含めて万全の体制で備えてほしい。そして準決勝を戦う愛知一宮ボーイズさん、中京ボーイズさん、春日井ボーイズさんもベストな状態で最高の試合ができるようがんばりましょう。
頑張ろう稲沢中央ボーイズ! 次のスターは君だ!!