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夏の全国大会予選は惜敗 ~それでも絆に感謝、最高の仲間だ~

高校野球にも春と夏の甲子園大会があるように、日本少年野球連盟(ボーイズリーグ)でも春の全国大会「東京開催」と、夏の全国大会「大阪開催」が実施される。そして、それぞれの地区予選では、これまた高校野球と同じように、数多くのドラマと歓喜があり、さらにその陰には夢に届かなかった涙と励まし、次へのステップが繰り返される。

一方、応援席で子供たちを支える父母は、全国大会予選のなんともいえない緊張感に震え上がる。ましてや、ここ一番のチャンスで我が子が打席に向かうとなったら、絶体絶命の大ピンチで我が子に相手の打球が飛んでいったら、おそらく顔をふせて両手を握り締め、神様でも仏様でもご先祖様でも誰でもいいから助けてくれと祈るだろう。もちろん、普段は全く信心深くないのだが・・・。

ただ、ふと思う。あの緊迫感や一体感こそ、野球小僧を持った親バカの特権なのではないだろうか。ましてや最高の結果が出たときの至福の瞬間は、もはや表現のしようがない。結果が出なかったとき、気持ちだけでも抱きしめてやれるのは子供が真剣に取り組んでいるからこそである。近年の稲沢中央ボーイズには、文字通り野球小僧が数多く入団しており、今年の春も東京で開催された全国大会に出場。大阪支部の代表チームに勝ち、全国ベスト8の実績を残した。この夏、子供たちの夢は春夏連続の全国大会出場。もちろん、親の夢も同じ。同じ目標に家族で向かいあい、同じ時間を共有する。これもまた嬉しい。

さて、春夏連続出場といっても、メンバーは代替わりしている。春の全国大会出場は、卒業した6年生(現中学1年生)の圧倒的なパワーのお陰であった。夏の全国大会へは、新チームで挑む。チーム一丸となって、歴史を塗り替えられるか。トーナメント戦による一発勝負。絶対に言い訳はできない。
 

この戦いの詳細は、「試合情報一覧」をご覧いただきたい。稲沢中央ボーイズは、決勝戦まで勝ち進みながら、あと一歩で春夏連続全国大会出場という夢を逃した。ただし、あらためて監督、コーチをはじめ、団のスタッフの皆様には心から感謝したい。いつも丁寧に、厳しさと優しさを実にうまく使い分け、愛情いっぱいに野球の技術を教えていただいている。時として、将来のために必要な躾さえも。本来は各家庭でしっかりさせなければいけないことも甘えてしまっている。指導者は、まるで我が子のように、一人ひとりの子供の可能性を心から信じている。ゴールデンエイジの子供たちには、それが伝わるから、ますます上達が早くなる。決勝戦で劣勢になった時でも、監督は何度も何度も「お前たちの力はこんなもんじゃない!絶対にいけるぞ!諦めるな!」という激を飛ばしていた。あの励ましは、生涯子供たちの耳に残るのではないだろうか。
 

そして他にも、今回我々があらためて誇らしく感じることがある。それはキャプテン徹志の存在だ。現在、チームには11名の6年生が在籍している。そしてその下にいる5年生、4年生の成長は著しい。レギュラー争いは容易ではないが、この競争も強豪チームとしてプラス作用に働く。徹志はこのメンバーの中でも、一番早くから入団していた。加えてその責任感とリーダーシップは、誰もが認めるところである。春の全国大会がおわり、4月に新チーム体制がスタートすると、当然のように徹志がキャプテンに任命された。誰よりも声をだし、誰よりも後輩の面倒をみる。もちろん、誰よりも叱られるのもまた、彼の役割である。

ただし、前述したとおり、レギュラー争いは熾烈である。キャプテンでも常時試合に出られる確約はない。実際、6月上旬に優勝した春日井市長杯争奪東海大会では、準決勝、決勝ともに徹志の出番はなかった。しかし彼は、攻撃時には一塁コーチを務め、守備の時はベンチを盛り上げ、チームを鼓舞し勇気を与え続けた。ゲーム展開によって、ここ一番という時に、徹志にチームの運命を賭けるという選択肢がある。そこで監督は、このオプションを残しながら、采配を振るったとみていいだろう。だが、普通の小学生にこれを理解させるのは難しい。ところが徹志は違う。自分の役割と立場をしっかりと理解して、まずはチームのために動く。自分に厳しく、他者に優しい徹志の性格は、稲沢中央ボーイズの魂であるといってよい。優勝した翌日、夜の祝勝会会場。いつも通り大いに盛り上がり、大人達が気持ちよく乾杯している中、徹志は監督に呼び出され、言われるがまま小さな子供のように、ひざの上にちょこんと座った。監督は後ろから徹志を抱きかかえ、彼の耳元でなにかをささやいていた。そこで、どんな会話が交わされたのか。二人以外の者に分かるはずはない。しかし徹志の潤んだ瞳をみると、きっと練習方法や試合展開の話ではなく、全てはチームのため、はるかにレベルの高い大切な内容が伝えられたに違いない。

そして迎えた今回の全国選手権予選。徹志の活躍はすさまじいものがあった。準決勝では長打を含む3安打でチームに勢いを与えた。決勝戦ではまさに、ここ一番というチャンスで代打に立ち、チーム唯一の得点となるタイムリーヒットを放った。決勝戦の敗戦後、ベンチで泣き崩れる子供たちの中、徹志は5年生の陸斗をそばに呼び出していた。徹志の言葉にうなずく陸斗。おそらく、来年の夏は必ずリベンジしてくれとでも伝えたのだろう。
 

夏の全国出場を目標にした大きな節目の大会は終了した。ただし、これからもまだまだ夏から秋にかけての大会は続く。そして最後の最後に6年生にとって、春の全国大会のチャンスが残されている。今度は二年連続での春季全国大会出場に、目標をきりかえようではないか。

稲沢中央ボーイズの子供たちよ。まだまだやれることはいっぱいあるぞ。本気になって、必死になって、全力で練習に取り組め。恥ずかしがらずに夢を語り合え。お父さん、お母さんは、いつも通り、君たちをグランドに送迎し、愛情いっぱいの弁当をつくり、泥だらけのユニフォームを洗い、一緒に泣いたり笑ったりしていこう。まだまだ、お前たちの力はこんなもんじゃない!頑張っていこうぜ!稲沢中央ボーイズ!

 

~東海ボーイズさんへ~

東海ボーイズさん、皆さんの決勝戦での戦いぶりはお見事でした。準決勝の時から引き続き発揮した粘り、集中力など、愛知県西支部代表にふさわしいチーム力です。本来ならば試合後に、皆さんの全国大会での健闘を祈って、父母会としてエールを送るべきでしたが、それができませんでした。申し訳ありません。でも、全国大会を楽しんできてください。そして、今後の大会でも良きライバルとして、切磋琢磨していきましょう。

 

~新入団員募集中~

最後までお読みいただき、ありがとうございます。稲沢中央ボーイズでは、まだまだ新入団生を募集しています。特に5年生以下の皆さん、次のステップでさらに野球技術を上達させませんか。あるいは、はじめて野球を習うのならば、本格的な指導をうけてみませんか。いつでも体験や見学を受け付けています。子供の成長と全国大会出場という感動を一緒に共有しましょう。

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